Miyashita Mariko

図解日本画用語事典 英語版

芸大で私の担当の仕事だった日本画用語事典の英語版が2月28日に発行しました。(巻末のEditorsの欄に MIYASHITA Mariko とあります!)

 

An Illustrated Dictionary of Japanede-Style Painting Terminology

 

DSCN2386.JPGこの本の大元は3年前に研究室が14年の歳月をかけて出版した専門書です。

それをグローバル化を考えて英語版の出版を計画し、科学研究費の学術公開促進費に採択され出版することになったものです。

 

1年目は科研費の申請書類を作成して採択、その後原稿を差し替える部分を打ち直ししてアメリカ在住の翻訳家と連絡を取り合い、2年目に校閲担当者や出版社と打ち合わせを重ねるなど調整や取次ぎをし、3年目は校閲者と一緒に翻訳を入念にチェックして専門書をあさったり校正しDSCN2389.JPGたりしていました。・・・かなりの過密スケジュールでした。

 

日本画は日本特有のものです。

それを他言語圏の人に理解してもらう為にどんな形にしたらより理解されるかを考えながら手を加える作業はことのほか苦労や様々なことを考える必要がありました。

 

言葉とイメージというのは必ずしもイコールになりません。

その誤差を少なくするために様々な専門家の方の意見を聞くことになりました。

 

 

苦労POINTSとしては、そもそも日本固有のものですから、オリジナル英文をつくるという感じでした。

現時点でも日本美術に関する英訳は多くありますが、それらはローカルルールで正解があるわけではありませんでした。それをより理解しやすいものを選び出す(或は新たに作る)ことから始まりました。

それ以外では中国語から起因している言葉が以外と多く、それをピンイン(中国語表記の英訳)にしたり、植物の名前は学名を用いたり、日本人として日本語を目にしている時には全く意識していなかった問題に直面して大変も大変でした。

日本語では曖昧な表現でも英文ではかなり言い切らねばならず、元の日本語の見直しが必要な状況においては日本語自体の意味をもう一度考え直さなければならず、考えれば考えるほど「これってどういう意味だ・・・?」と日本語なのに意味が分からなくなることもありました。

 

おかげでいい勉強になりました。

 

出版されて完成という形になりましたが、ここからがスタートかもしれません。

この本を手にした多くの方からまた様々な意見が出てくることと思います。それをまた反映させてブラッシュアップしていければこういう研究書・専門書はよりよいものになっていくと思います。

 

そんな問題提起の一石を投じたというか、形は出来上がっていますが、決して完成ではないと思います。

 

また次の一歩につながっていけば幸いに思います。

 

高価な本ですが、専門家の方や学生さん、多くの方の手に渡ればと思います。

 

 

 

An Illustrated Dictionary of Japanede-Style Painting Terminology

図解日本画用語事典(英語版)

2010年2月28日初版第1刷発行

監修 平山郁夫 渡邊明義 田渕俊夫 宮廻正明 荒井経

編集 東京藝術大学大学院文化財保存学日本画研究室

10,500 (本体 : 10,000)

*芸大アートプラザ等で購入できます。