春の院展の制作シーズンが終わりました。
今年も無事に展示する運びとなりました。
これは「小下図」と本画のツーショットです。
大きな作品を制作する時に、「小下図」を制作してから本画に取り掛かることがあります。
材料が高価な日本画は大きな作品だと尚更失敗することができません。
そういう時には小下図が活躍します。
一度小さな作品を仕上げてしまい、問題点があれば本画で改善します。
色のバランスをみたり、構図を練り直したり、テーマを考えたり・・・。
描きすぎることもあるので、そこから引き算したりする推考の場でもあります。
小下図のおかげで計画的に制作することが可能となります。
でも、小下図は表には出ません。日の目を見ることなく私の習作資料として役目を終えます。
全ては1点の良い作品の制作の為。隠れた存在です。
今回はそんな隠れた存在の「小下図」を紹介してみました。
本画の展示は3月末から始まります。
お時間ありましたら是非お出かけください。
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春の院展出品作
「運河の彩映え」(うんがのいろばえ)
オランダ・アムステルダムの17世紀の環状運河地区、プリンセングラハトにて取材。
運河に沿って立ち並ぶ歴史深いレンガ造りの街並みは、運河の水面から反射する光を受けて色鮮やかな色彩を見せていた。
穏やかな運河に浮かぶ船、道に連なるように停まる車と、色とりどりの旧市街の建造物の映える色が共鳴するように描いてみました。
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第72回春の院展
3月29日(水)~4月10日(月)
日本橋三越本店 本館・新館7階ギャラリー
午前10:30~午後7:00(午後7:30閉場)
※最終日は午後5:30まで
入場料:一般・大学生800円/高校・中学生600円[小学生以下無料・税込]
※三越M CARD、伊勢丹アイカード、エムアイ友の会会員証、三越伊勢丹ホールディングス株主様ご優待カード、障害者手帳のご提示で、ご本人さま、ご同伴1名さままで無料でご入場いただけます。
http://nihonbijutsuin.or.jp/