先日、ただひたすらにデッサンをしていました。
本画を描く前に、ラフスケッチやクロッキーなどをしてそこから形を起こすことをしますが、それはとても簡素なものです。
しかしデッサンは、ある程度時間をかけてじっくり描写をします。
デッサンは絵を始める入門時に形を捉える基礎画力をつけるために誰もが経験するものです。
鉛筆と紙というこの2種類のどこにでもあるもので作り出す絵画ですが、とても奥深いものです。
美しい形・正確な形をとらえるのに、自分の引いた一本の線を信用してそこから形作るところから始まるのがデッサン。
しかしその線にも誤りがあります。
デッサンしていて時に「形が狂って見える」ことがある。
その時にただ描き進めるだけでは何にもならない。
間違いに気づき、訂正し、そしてまた正しいと思われる線を引く。
自分の引いた線を正当化することなく、誤りに気付いて素直に直すことがデッサンの基本だと思っている。
モチーフに向き合う度に思うことは、常に素直に感じたままにということもあるが、自分の誤りに気付いた時にも素直に受け入れて訂正する気持ちを持ち続けること。
信じることと疑うことのバランスをとることがデッサンでもある。
時に絵を描いていると自分が表現者であるという一種の傲りが体に染みついてきます。それがデッサンをすると、目の前の対象に対して謙虚であれという初心を思い出して清々しい気持ちになります。
時々初心に帰って地道にじっくりデッサンをするのもいいことです。
花が枯れるまで見つめることで花の命の経過と時間の流れも心に響き、何を描くのか?という単純で複雑な問いかけをされてるようでもありました。