今日は「硯の資料室」の楠文夫先生のトコロへ学生さんの引率兼ねてお邪魔しました。
絵描き(特に日本画家)は硯にコダワリがあり、硯の先生にその歴史と種類についてお話を伺う機会というのは特別、興味深々。
>>>「硯の資料室」>
今回、硯の資料室の内部写真を楠先生の許可を得て公開します♪
硯の資料室には、とても貴重な硯がたくさん並んでいます。
古代のものや中国の文人が愛した骨董モノまで、たくさんの素材(石の種類)と形状をした様々な硯がところ狭しと並んでいます。
硯は道具でありながら、なんとも美しい工芸品であるとも思える一瞬です。
これらの硯の中から、5年ほど前にお譲りいただいたもの(現在、愛用の硯)があります。
>愛用の硯「端渓水巌 翰墨陶情硯(かんぼくとうじょうけん)」
端渓石で作られたシンプルな板硯(ばんけん)です。
1778年の作です。
硯には「海」と「丘」があるのですが、この板硯というのはただの平らな面のものです。
絵を描く(特に線を引く)場合は、筆の穂先を整えるのには平らな面が広いこの板硯が最適です。
裏には文字が彫ってあり、そこには「この硯、墨また、筆を扱う者に、趣きをもってこれを愉しませる」というような内容が刻まれています。墨色も筆の運びも愉しませてくれる硯だなんて、とてもステキだなぁ・・・。といつも道具にも感謝しています。