今日は一日線描していました。
作画する一番初めの作業になりますが、日本画ではこの「線」の美しさも作品のうちに含まれると思っています。
使う筆は原毛や毛質にこだわって特注で作ってもらい、私の手に合う筆を使っています。
細く長い線をただ引くのではなく、線によって形に命が吹き込まれる瞬間だと思います。
ただ引けばただの線。
でも、思いを込めて引けばそこに形や風景が見えてきます。
鉄線描は固く均一で抑揚のない線なのですが、その無駄のない整理された線は研ぎ澄まされた緊張感を生み、形の美しさを際立たせるものだと思います。
線描は奥が深く、何年やっても何枚描いてもさらに奥へと引き込まれます。そして完成というものがなく、一生続く修行のようなものです。
そのシンプル故に難しい中に美しさが宿ると信じて、今日も地道に修行しています。
たかが線、されど線。
線一本で絵になるか、ただの線になるか。
やはり険しい道のりです。