昨日、大学院でお世話になった有賀祥隆先生のお誕生日に併せた古稀の御祝会が上野精養軒でありました。
有賀先生は日本美術史の大先生で、仏教美術をご専門になさっており、大学の教員から文化庁のお仕事まで、日本の美術品に関することには関わらないものがないほどあちらこちらで引っ張り凧の先生です。
かく言う私も、博士過程では有賀先生とマンツーマンの指導を週に1日与えていただいて、ミッチリ手ほどきを受けました。
博士論文の副査もしてくださり、学術的な裏付けを得るのに色々と勉強させていただいて大変お世話になりました。
先生とお話していると美術史に関することは何でもご存知で、まさに生き字引でした。
今思えばとても贅沢なことだと思います。
そんな知識豊富な有賀先生の特技(?)というか趣味は「ダジャレ」を言うことでした。
先生は学生との授業の時や美術品の閲覧などでよくメモを取っており、いつも持ち歩いてるノートには沢山の情報を書き込んでいました。
サンスクリット文字や凡字といった読めないものから、時代考証、材料資料、関連書籍、学生が何を研究してどういう問題を抱えてるか・・・様々な情報が書き連ねられていました。
そのノートに眉間にシワを寄せながら黙々と何か書いている姿がとても印象的で、ある日、そのノートを書いているのを横で覗いてよく見たらダジャレのネタで驚いたことがありました。
人と接する時は春風の如く、自分を律する時は秋霜の如く・・・そうお話になる有賀先生はまさに春風のような先生で、とてもマジメでとてもユーモアのある先生でした。