気がつけばもう師走・・・毎日制作に追われて、今月も100号の制作に追われていました。
100号サイズの作品は制作するのにかなりの覚悟と気合が必要なので「描こう!」となるまでどうも気が乗らず、当初は出す予定でおりませんでしたが何とか締め切りに間に合ったので、ギリギリで出品することになりました。
奈良県立万葉文化館で開催の「第五回 奈良県万葉日本画大賞展」に出品・入選しましたのでお知らせいたします。
>>「色葉の潦」(いろはのにわたずみ)
(写真は部分写真です)
万葉日本画展は、「万葉集」に取材した日本画を制作するという規格のある展覧会です。万葉集の和歌を1首若しくは数首に取材し、100号までの作品を制作するというものです。
私の作品は第16巻3834番の
「梨棗黍に粟つぎ延ふ葛の後も逢はむと葵花咲く」
という1首を選びました。
「葛のつるが分かれてはまたつながるように、また出会いたい。あなたに逢う日は花が咲くように嬉しい。」
草むらをかき分けてその先に偶然見つけた色鮮やかな葵の花はまるで宝物のように輝いて見えた。いつも見つけられるとは限らない・・・一瞬の煌きとの出会いは愛しいものを待ちわびる恋い焦がれる気持ちによく似ている。
日々の生活の中で何気なく眺めているものが一瞬色鮮やかに煌いているように見えて、ふと足を止めることがある・・・そんな心に響く宝物と出会った時の感動を絵にしてみました。
今回の作品は天然青緑を背景に使用したとても色鮮やかな作品になっています。葵の花は紅珊瑚、葉も緑青を焼いた絵具の上に玉虫色に焼いた銀箔を配し、日本画固有の天然の材料に拘って仕上げました。
100号目一杯に立葵と葛を描いた全貌を、会場でご覧いただけましたら幸いです。来年の個展などの展覧会で出品する機会がありましたら巡回展示をしたいと思います。
会期(予定):2011年3月10日(木)~4月24日(日)
(水曜休館日)
会場:奈良県立万葉文化館 企画展示室
奈良県高市郡明日香村飛鳥10番地
電話0744-54-1850