画家を目指す為に大学に入ったのですが、大学院に行って博士号を取得しようとした段階で「研究」というものにも手を染めることになり、「研究」というのも実は絵を描くのにとても重要な要素を沢山含んでいることに気付き、「研究」も大切にしています。
晴れ時々曇り・・・画家時々研究者。
時々二束のワラジを履くことがあります。
そういう訳で、今回は先週でかけていた高知での研究の話しを・・・。
今回の研究は、科学研究費基盤Aで採択された研究の一環で、東大の大学院生と共に高知に行きました。
「伝統技能保持者の身体感覚の伝送に関する研究」というのが主な目的なのですが、ザックリ言ってしまえば伝統技法(職人ワザ)の伝承を様々な方法で情報化した上でフィードバックするという、これまで職人ワザは師匠⇔弟子に口伝若しくは勘みたいな形で受け継がれて来ているものを、より汎用性ある形で伝承できないだろうか?という試みなのであります。
なので、高精細DVCによる多視点撮影やら3Dカメラなど、1台ン百万する機材をいくつも持ち込んだり、職人さんに筋電センサーを取り付けてみたり、あーでもない、こーでもない、ってのをやってました。
この調査&研究は職人さんあってのもので、高知の紙産業技術センター及び伝統技術保持者さん、研究員さんの協力なくしては成し得なかったといえるものです。
日本の伝統技術はすばらしいものがあります。それをどうやって保存していったらいいのか。
答えは一つではないと思いますが、様々な分野の方に関わってもらって知ってもらって大切にしてもらうことが何よりだと思いました。なので、今回は接点の無い分野同士をくっつけられただけで私は一人で勝手に満足してしまいました。(笑)
そして伝統技術と最先端の情報工学の技術の融合はまるで対極に位置するようであっても、実は根底に流れる哲学が同じように感じました。
全く異分野の集まりでしたが、現場の雰囲気はとてもよく、終始和やかで楽しい時間を過ごすことができたのは、その場の皆さんの理解と協力があってのものと感謝します。
>>高知紙産業技術センターの皆さんと東大大学院情報理工学系研究室の皆さんと