今年も春の院展の制作発表時期がやってきました。
ここ1ヶ月はこの作品にかかりっきりで毎日のように作品とにらめっこしておりました。
<出品締切の朝>
作品は仮額をつけられ、搬入の準備。
この瞬間、いつも完成した達成感とこれで大丈夫なのだろうか?という不安とが入り混じり、複雑な気分になります。
今年は縦型の作品を制作しました。
作品はここのところモチーフに選んでいる上高地から、梓川の支流を描いています。
院展では風景を多く制作しており、これまではヨーロッパの風景を描いておりました。
最近は日本各地の美しい風景に目を向けて自分の中で解釈して描くという、大学に入りたての頃の課題「風景制作」のような初心に返った作業を地道に行っています。
<制作メモ>
出品作タイトル:「水面の呼吸」
取材地:長野県 上高地 梓川支流
梓川から山側に入ると小さな小川があちらこちらに生じている。
梓川からの豊かな水の流れに混じって支流の川底からは湧水があり、小さな気泡と水紋が入り混じってリズムを刻んでいる。
川の流れと共に時折吹き渡る風が水面に映る木陰を揺り動かす。
それは穏やかな深呼吸のようであったり、弾むような荒々しい呼吸であったり、静かな川面に穏やかな流れと混沌を繰り返している。
それはまるで水面(みなも)が呼吸しているかのようであった。
今年も無事に入選し、展示していただくことになりました。
お時間ございましたら是非お出かけください。
第68回春の院展
東京展
3月27日(水)~4月8日(月)
会場:日本橋三越本店
時間:午前10時~午後6時30分(午後7時閉場)
入場料:一般・大学生700円/高校・中学生500円(小学生以下無料)