>>Officina ProfumoFarmaceutica di Santa Maria Novella
1200年代に薬草を栽培して修道院内の医務室で使うための薬や香油の調合を始めたのをきっかけに、1612年創業以来絶え間なく営まれてきた修道院薬局です。
世界最古の薬局とも言えます。
その本店(本部?修道院??)がここフィレンツェにあるのです。
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会にくっつくようにあるのですが、教会の裏側で入口がわかりにくく「ここかいな?」という雰囲気の重々しく入りにくい雰囲気を醸し出している扉を開けるとそこにはだだっ広い大広間のような豪華な店内が広がります。
薬局というよりはサロンのような広間なのです。
その縁の壁にそって商品がガラスケースに並べられ、さて、どうやって買うのだろう???という疑問だらけの薬局でした。
植物由来の自然派コスメ&スーパー伝統的手法による製造とあって、なんだかすべてが貴重な雰囲気です。
歴史を刻んだその場所はまさにミュージアム・・・「伝統の博物館」として存在するとすら自負している薬局なのです。
>>さて、買い方ですが、まずはレシピのような商品リストを見ながら商品を探します。
各国語のリストが置いてあるのですが、英語バージョンで頑張ってたところなんと日本語のリストもありました!これは助かります。
その英語と日本語が書かれているリストの中から気になる商品をカウンターのお姉さんに言うと、まずは試させてくれます。
「ん~、スベスベになる?」とか、「香りはどうかな?」とか。
その中で気に入った商品があると申告し、それをICカードに記録していきます。(ここはかなり現代的。)
全ての商品を選び終えてチェッカーにて記録が済んだICカードを奥にある別のキャッシャーに持って行くとそこで初めて商品が出てきます。
日本の品物の選び方との違いがはっきりとしています。
欲しいものはどんなものなのか、自分に合うものはなんなのかを店員さんと探す。勝手に試用見本を使ったりもしない。
丁寧に商品説明をされ、納得いくものだけを記録して購入する。
"冷やかし"というものもなく、合わなければいらない、合うものは買う、というとてもシンプルでスマートなお買い物の方法がここにはありました。
一瞬、なんと敷居の高いお店なのか!と思ったのですが、無駄のない丁寧な生き方・美しい生き方というものをフと感じました。
修道院ならではなのか・・・?
さて、買ったものはこの修道院で長い伝統の中で変わることなく作り続けられている天然ローズ水(Aqua di Rose)、それからこれまた天然・伝統的な石鹸で皮膚病など乾燥肌にも優しいザクロソープ(Sapone al Melegrano)、そして世界の香水の原点とも言われているオーデコロン(Aqua di Colonia)の中でもSanta Maria Novella(王妃の水)という一番伝統的な歴史的名香、そしてカテリーナ・ディ・メディチが愛用していたというもの等々を購入。
全ての香りが優しく、また天然由来であることから自然で儚い感じがして繊細です。
何ともノーブルな薬局ですこと!ということで「ごきげんよう」な気分でした。
東京では丸の内や銀座にもお店があるようですので覗いてみたいと思います。