ヴェネチアに滞在する一番の理由は、ヴェネチア在住の友人と会い、フェニーチェ劇場(Teatro La Fenice)に行くことでした。
>>TeatroLa Fenice
フェニーチェのヴァイオリニストである友人との出会いは12年前でした。
2001年のフェニーチェ日本公演の際に芸大の音楽学部を案内したことをきっかけに、交友が始まりました。
私のことを「チッチャナマリ、ムスメ」と言って可愛がってくれました。
・・・当時26歳だったのですが、16歳くらいに見える(!)と言って、自分の子供のようだと言っていました(笑)。
それから日本公演の度にアテンドしていました。
その時からの約束で「いつかヴェネチアを案内するのはボクだからね!」というのを今回実現したのでした。
フェニーチェはイタリアオペラの歴史上とても重要な劇場です。
有名なオペラの初演はまずフェニーチェからでした。ロッシーニやヴェルディが有名です。
特にヴェルディの「椿姫」(La traviata)はフェニーチェの十八番でもあります。
幾度とない火災により再建を余儀なくされた劇場ですが、古典的な装飾や内部の修復と復元は見事なものでした。
>>このバルコニー席からの眺めの荘厳さは圧巻でした。
そしてフェニーチェ劇場の内部(裏側)も特別に連れて行ってもらいました。
衣装制作アトリエ、リハ室、パーティールームから舞台装置のある緞帳の内側まで見せてもらいました。
フェニーチェは衣装から装置、楽団員までその全ての職員が自前なのです。
彼の属するフェニーチェ楽団(オーケストラ部)は全部で180人いるそうで、毎日何かしらの公演が劇場では開催されているのですが、演奏者は交代制ということみたいです。
>>この日の講演はオーケストラでした。
夕刻よりこの演奏会に招待してもらいました。
きらびやかに正装した人がたくさんいてまるで絵本でみる舞踏会の様でした。
曲目はArvo Partの"Cantus in Memory Benjamin Britten per orchestra d'archi e campana"(カントゥス-ベンジャミン・ブリテンの思い出に、か?)
チャイコフスキーの"Variazioni su un tema rococo par viorincello e orchestra in la magiore op.33"(ヴァイオリンチェロによるロココ風の主題による変奏曲ラ長調作品33、か?)
ストラヴィンスキーのペトルーシュカ(バレエ音楽)というラインナップ。
現代曲から古典作品、有名な曲までバランス良くプログラムされて終始飽きずに聞いていました。
ペトルーシュカは「のだめカンタービレ」で同じみになった、NHK「きょうの料理」のオープニングテーマに似ているという曲です。
特に、2曲目のチェリスト(ソロ奏者)は幕間にアンコールが。
アンコールは大好きなバッハの無伴奏チェロ組曲からでした。
12年目の約束・・・本場フェニーチェのバルコニーからオーケストラを聞く夜が来るなんて、12年前だって、つい最近だって想像だにできなかったので感無量でした。