Miyashita Mariko

閑話休題:伝統料理について

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あんこう鍋名店の"いせ源"さんにたまたま行ってきました!

 

>>休日に歩いて都内をめぐることを楽しみにしているのですが、今日は神田界隈を散策していた際にフと足を止めたくなる佇まいの店舗を発見しました。

その看板には「あんこう鍋」の文字が。

・・・あんこう鍋?

鍋料理を専門で(しかもあんこうオンリー)なんて初めての出会いでした。

看板をよくよく見るとかの老舗"いせ源"でした。

予約も取れない、並んでやっと食べられる・・・という。

ん?でも、今日は並んでない。

お休みか?

と思い、思わず暖簾をくぐり中へ入ってみると、平日やってない時間帯でも休日は通し営業しているということでした。

お昼時間を外していたこともあり、すぐに案内してもらえるということでなんとも幸運にも伝統的な味と対面することが叶いました。

 

入母屋造りの建物も都選定歴史的建造物に指定されており、とても風流な雰囲気も味わえます。

私の母校研究室のあった芸大赤レンガ2号館も選定歴史的建造物に指定されていたので、こういった建物を見ると心に響きます。

 

お鍋はあんこうの身がとても丁寧に下処理されており、伝統の御出汁で煮ていただくスタイルでした。

一通りお鍋をいただいた後にはおかみさんにオジヤを作ってもらいました。

たまごで綴じてたっぷりの葱が散らしてあるオジヤは最高においしかったです。

両親を連れてきたい味(?)だと勝手に解釈して散歩で冷えた体が芯から温まる思いをしました。

 

また、お食事に使われる食材を「本日の主役」として食材の産地を明記した一覧がありました。

それが全て日本の産地であり、それを見ているだけで日本の中の伝統的な料理であることを強く感じました。

日本の中で育まれ、日本の食材を生かして日本の伝統的な料理でおもてなしをする。

しかも、味の決め手である御出汁の取り方については代々その当主しか知ることのできない秘伝とのこと。今日で7代目が受け継いでいる伝統の味とのお話も伺いました。

私も日本の伝統である日本画を志す者としてはこういった文化を理解して継承することの大切さを異分野ながら感じさせてもらいました。

そんな「日本」を感じる名店の神髄を肌で感じるいい経験をした一日でした。

 

ちなみに、座らせていただいた席は日本映画界の重鎮小津安二郎監督の特等席でした(余談)。

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